ExciteサークルExcite
素直な自分が好きですか?   トップ > 練習場 > ご自由にどうぞ
ようこそ tokotan. さん! (あなたはサークルオーナー です) 
トコタンのひとり言(open)

No.2578 父の匂い・・・・・   ( tokotan. )

読まれた回数 ( 8 ) | 修正 | 削除

≪前へ | 次へ≫
電車の中でふっと・・・・・
父の匂いがしました。

父の匂いは石鹸の匂いと結びつきます。
おかしいでしょう?

帰りの電車で、その匂いの中で父を思い出してました。

小さい頃の私・・・・・
いつも父に抱かれている写真です。
父が、何かおもちゃをくわえたりして私をあやしていたり・・・・・
ほっぺにチュッとしたり・・・・・
ほら、煙突〜〜!!といいながらタバコの煙を口に含み、人差し指で
ほっぺを抑えるのです。
そうすると、ドーナツのような煙が・・・・・

セピア色の写真の中に父がいます。

冬の夜は、お風呂やさんにネンネコをかけて私をおんぶし・・・・・
少し大きくなると、いつも男湯で一緒に遊んでました。

石鹸でいつまでも遊んでいるのでどれだけ母に叱られたか。
そのたびに父が言うのです。
そんなに怒らなくても、楽しく遊んでいたのだから・・・・・と。
父と母の喧嘩はいつも私の話題だったように思います。

大きくなっても社宅と倉庫をかねていた家にはお風呂が無くて、お風呂やさんに
三人で下駄を鳴らして歩いていったんです。
父の後ろで、まねをしてガニマタで歩くんですね。
恥ずかしいという事はまったく無かったし・・・・・

お嫁に行く前の日は、三人で川の字に寝ました。

そして・・・・・花嫁衣裳で「今まで育ててくださって・・・・・」と
言おうとすると、すぐにどこかに「あっ、そういえば・・・・・」と
離れてしまって結局挨拶らしいものは何も出来ませんでした。

父にとって私は本当に宝物だったのよねぇと、今でも母はよく言ってます。

そんな父ががんに侵された・・・・・

私は、毎日神様を恨んでしまいました。
なんで?なんで?父じゃなくては?と。
あの時は悲しかったですね・・・・・
というのか、言葉に表せないものでしたね。

昔・・・・・
機械やさんだった父は、細かいお菓子の包装機械を作っており、父の手は
いつも油がにじんでました。
時には、何か鉄の破片が刺さったといい、よく私が取ってあげてました。

そんな父の手だったから、仕事を終える時の父はいつも綺麗に石鹸で手を洗い
帰ってくる父は石鹸の匂いと、少し残った機械の油の匂いがしました。

その父の手・・・・・
入院している間に、指紋にしみた油が少しずつ綺麗に・・・・取れていくのです。
入院中、毎日手を拭いてあげるたびに・・・・・
綺麗になっていく父の手を見て涙が止まらなかった・・・・・

なんだろうなぁ・・・・・
今日は父の事がやけに思い出されます。
と・・・・・思ってカレンダーを見ると・・・・・
来週は父の誕生日なんです。

最近忘れているだろう?と・・・・・寂しがっているのかも。

父の宝物だった私も、また可愛い宝物が出来・・・・・
そして、その宝物も・・・・・

人はなんだかいいですね・・・・・

   トコ





≪前へ | 次へ≫
投稿日時:2005/02/02 22:27:40
リストへ戻る | このトピックに返信


お問い合わせ - 規約 | エキサイトホーム - Woman.excite - Auction.excite

Powered by OnNet
ClubForYou Ver. 3.0 Copyright(C) 1999-2006OnNet Co., Ltd. All rights reserved
Copyright © 1997-2006Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved. 免責事項

inserted by FC2 system