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トコタンのひとり言(open)

No.3074 「わすれられないおくりもの」・・・スーザン・バーレイ  ( tokotan. )

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そのまま書いてはいけないかなと思うので少しアレンジして書いてみますね。


「わすれられないおくりもの」

 スーザン・バーレイ

アナグマは賢くて、いつもみんなにたよりにされています。
困っている友達は。誰でもきっと助けてあげるのです。
それに、たいそう年をとっていて、知らない事はないという位、物知りでした。
アナグマは、自分の年だと、死ぬのがそう遠くは無いことを知っていました。

アナグマは死ぬ事を恐れてはいません。死んで体がなくなっても心は残る事を知っていたからです。
体が動かなくなってもくよくよしたりしませんが、後に残る友達が気がかりで、長いトンネルの向こうに
行ってしまっても悲しまないようにいっていました。

ある日、モグラとカエルのかけっこを見に丘に登ったのですが、その日は特に年をとった気がしました。
それでも、友達の楽しそうな様子を眺めていると、幸せな気持ちになるのです。

夜になり、アナグマは手紙を書きました。
そして、ゆりいすに乗りながら不思議な夢を見たのです。

驚いたことにアナグマは走っているのです。
どこまでも続く長いトンネル。足はしっかりと力強く、杖もいりません。
体はすばやく動き、トンネルを行けば行くほど早く走れ、ふうっと体が浮き上がってなくなってしまったようです。
アナグマはすっかり自由になった気がしました。

次の日、アナグマの友達は心配して集まりました。
いつものようにおはようを言いにきてくれないからです。
そこにキツネが悲しい知らせを・・・・・
「長いトンネルのむこうに行くよ さようなら アナグマ」
みんなはアナグマをとても愛していたから、やりきれないほど悲しくなりました。
中でもモグラはやりきれないほど悲しくて、涙がとまりませんでした。

その夜、雪が降りました。冬がはじまったのです。
みんなを暖かく守ってくれる家の上にも雪が降り積もりました。
地上をおおいつくしても、心の中の深い悲しみを蓋いつくしてはくれません。
みんなは途方にくれました。

春が来て・・・・・
みんなはアナグマの思い出を語り合いました。

モグラは、ハサミを使うのが上手で、一枚の紙から手をつないだモグラを切り抜けます。
これもアナグマが教えてくれたものて、初めはうまくいかなったのだけど、切り抜けた時の
嬉しさは今でも忘れられない思い出です。

カエルはスケートが得意です。
初めてアナグマに習った時、カエルが一人で立派にすべれるまで、ずっと優しくついていてくれたのです。

キツネは、子供の頃、アナグマに教えてもらうまでネクタイを結べませんでした。
「幅の広いほうを左に、狭い方を右に首に掛けて、それから・・・・・」と、親切に教えてくれました。
今では、キツネはどんな結び方も出来るし、自分で考え出した結び方もあるんです。
そして、いつも素敵にネクタイを結んでいます。

ウサギの奥さんは村中に知れ渡る料理上手です。
でも、最初に症がパンの焼き方を教えてくれたのはアナグマです。
億トンは、その時の事を思い出すと、今でもそのパンの香りが漂ってくるようです。

みんな誰にも何かしらアナグマの思い出がありました。
アナグマは、一人一人に宝物となる知恵や工夫を残してくれたのです。
そして、みんなはそれで助け合う事も出来ました。

最後の雪が消えた頃、アナグマが残してくれたものの豊かさで、みんなの悲しみも
消えてしまいました。
誰もが楽しい思い出を話すことが出来るようになったのです。

ある暖かい春の日。モグラはアナグマが残してくれたおくりもものお礼が言いたくなりました。
「ありがとう、アナグマさん」
モグラは、なんだかそばでアナグマがきいていてくれるような気がしました。

そうですね・・・・・きっとアナグマに・・・・・聞こえたにちがいありませんよね。

********************************

この日のテーマは「いのち」でした。
さて・・・・・みなさまは、どんな風に考えられますか?

  トコ
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投稿日時:2006/02/19 11:03:18
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