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トコタンのひとり言(open)

No.3149 もう一つ......「30年を2時間半で」  ( tokotan. )

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昨日買った、森山良子さんのCDから......
朝、アイポットでしっかり聞いてきちゃった。
もちろん、「あなたが好きで」もねっ


「30年を2時間半で」

こんな事ってあるのね。新宿のデパ地下。
レジに並ぶ私の目が懐かしい横顔に釘付けになった。
他人のそら似?イエ、髪には白いものが・・・彼だわ。ドキッ!
早まる呼吸、声をかけようかかけまいか?
カゴに入ったおとうふや泥つきゴボウの先が揺れている。
こんな事ってあるのね。
若い日々の恋がよみがえる。
気付かないで私に・・・あ、やっぱり気付いて・・・。
マスカラが目の下に落ちてないかしら、ヤダ、小鼻がテカッってないかしら。
彼がふとふり向いて瞳と瞳が重なって照れくさそうに微笑んだ。
いまだに恥ずかしがり屋なのね、あなた。

「元気?」「うん、この通り。まあ何とか元気にしてます。
今夜のおかずを買ってるんだ。そこのおからがおいしんだ。」

「あ、私も時々買う。おいしいよね。」
<あ、なれなれしいかしら・・・>
人波が消えてゆく。レジが済めばそこでお別れ。

「ねぇ、もし時間があればお茶でも飲もうか。」
無口で引っ込み思案だった少女は、長い年月をえんやこらと乗り越える間に、
たくましく、ずーずーしく変貌しているものなの。

「うん、いいよ。」相変わらずもったいぶってるのね。

近頃流行のカフェ。あなたはコーヒー、私はキャラメルマキアート。
そう、中年の女は新し物好きなの。
それから、2時間半。
私は3年前多々の事情で一人になった。
あなたは2年前に伴侶を亡くした。
そろそろ定年後の暮らしを考え始めている。
「そうか、定年か・・・お互い50半ば・・・もうすぐ四捨五入で60かぁ。」
たわいのない想い出話に話は尽きない、尽きたくない・・・!!

♪ 30年を2時間半で飛びこして 二人の気持ちは20(はたち)
初めてのデート 「真夜中のカウボーイ」
30年を2時間半で飛びこして 二人の気持ちは21
ぎこちないFirst Kiss あなたの誕生日 ♪

「ご飯どうしてるの?」

「自分で作るんだ。これが結構たいへんでさ、こうやってお惣菜買うんだ。
今、美味しい物何でも揃ってるからね。」

「そうか、大変ね。」「ま、自由にいろいろできるから考えによっちゃ楽しいよ。」 
2杯目のキャラメルマキアートのストローが切なく空気を吸っている。

「ねぇ、一杯やろうか?」
「そうだな、家で誰も待っている訳でもないし。ここだったら、あそこのホテルがいいかな?」

「ホ、ホテル・・・?」

「うん、眺めもいいし、メシも結構うまいから。」

「じゃぁ、おから入れといてあげようか?」
泥つきゴボウは二つにへし折って、バッグの底に押し込めた。
人波の中、あの頃みたいに並んで歩く。
夕暮れがそろそろ星のカーテンを降ろし始める。
愛嬌のいいウェイターが「奥様、ジャケットの方おかけしてよろしかったでしょうか?」
近頃、この何々の方何々よろしかったでしょうか?というわけのわからない日本語が
すごく気になるんだ、私。
奥様か・・・うふ、奥様か。そうなってたかもしれなかった・・・。

♪30年を2時間半で飛びこして 二人の気持ちは20(はたち)
いつも歌ってくれた しゃがれた「Blowin' In the Wind」
30年を2時間半で飛びこして 二人の気持ちは21
別れた理由が いまだに見つからない ♪

キャンドルライトが揺れている。 
私の心も揺れている。
ライティングはOKよ、目尻のシワが少しはごまかせるわ。

「とりあえずビール。」と彼。
私はドライな赤ワイン。

「最近、食えなくなってさ。」

「あたしも。」

「最近、飲めなくなってさ。」

「あたしも。」って言いながら、イヤダー、私ったらグビグビグビグビ4杯目。

「女房がね・・」「うん。」「女房がさぁ・・」
愛しているのね、女房を今も。
イヤダ、私ったら女房に嫉妬してる。
本当の愛がどんなものなのか傷つけ合う事も愛し合う事も知らなかった少女の恋がよみがえる。
あれから、30年、いろんな事があったわ、私にも。
お互い乗り越えてきたのね、様々な時代を。

「あ、そろそろ行かなくちゃ。久しぶりに楽しかった!」

「こちらこそ。」

「元気でね」

「君も元気で。」

『きっとまた会えるね。』 心の中でつぶやく。

♪30年を2時間半で飛びこして 二人の気持ちは20(はたち)
初めてのデート 「真夜中のカウボーイ」
30年を2時間半で飛びこして 二人の気持ちは21
ぎこちないFirst Kiss あなたの誕生日
いつも歌ってくれた しゃがれた「Blowin' In the Wind」
別れた理由が いまだに見つからない ♪


********************

うーん、良いですね〜〜!!
青春時代......
以前、母がデパートで初恋の人に会って......
その時の母はとっても美人に見えたのだけど、母はどうしても声がかけられなかった。
「お化粧がはげているから......」それだけの理由で......(女心ですねぇ)
相手の方も、お嬢さんと一緒で、中々素敵な人でした。(父とはすごい違いだった)あはっ

今でもその時の母を思い出すと、可愛いく思うの......
母は、「あぁ、声かければよかったぁ」といつも言ってます。

そう考えると......私の青春時代は??
いやん、パパリン一色。
その中でたまには高校時代のBFどとのデート?もあったけど....(パパリン公認)
なんか......私って面白くない〜〜!!
あはっ。

でも、もう少しドキドキ感のある青春時代を......おっ、あの時の気持......
今でも変わって無い......これ、幸せな事かもしれませんね〜〜!!


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投稿日時:2006/07/13 10:59:47
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